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  • 井上大辅

なにがにーぜろにーぜろだよ

許せない。政府の憲法違反で、1年あまりもの間、私の健康で文化的な最低限度の生活が保障されていない。

こんな状況で五輪を観たいなんて思わない。私は五輪を拒絶する。

五輪によって私の生活が豊かになることは金輪際ございません。かつてはお世輪になりました。あばよ!


昨年12月に開催を予定していたが、来年3月に延期された主催のダンス公演がどうなるか、現在まだ分からない。私が、出演者・スタッフと観客の双方の安全が確保できない限り、開催できないと思っているからだ。徹底した検査および治療と生活補償が整わなければ、安全は確保することはできない。そのような体制を私個人で負担するのはとても難しいので、どこかで折り合いをつけなければならないと考えている。1年あまり、徹底した検査および治療と生活補償が必要だと考えてきたが、この国ではそれが夢物語に思えるほど、全く叶えられることがない。自分が綺麗事を言っているような錯覚を起こしてしまう。


この1年あまり、「劇場の灯を消すな」というスローガンもたくさん耳にしてきた。出演者・スタッフと観客の双方の安全の確保が中途半端なまま、無理やり上演している劇場や団体があるのも知っている。けれど、それぞれに事情があるのだから、私自身は「今は観に行かないです」という判断をすればよいだけだった。


しかし、東京オリンピック2020の開会式・閉会式クリエーティブチームメンバーを見ると、そこには舞台業界の人もちらほらいる。この時世に(私と家族と大切な人たちの感染リスクの増大や、私の公演の延期や中止の可能性を著しく高めるような)感染拡大を招きかねないイベントに携わる同業者に、とても腹が立った。

東京オリンピック2020の開会式・閉会式に携わる同業の方々には今後接触しないことに決めた。彼らの公演を観に行くこともない。そういう人たちを重用する劇場や団体のことも信用しないことにした。その接触は、私の活動と健康に危害を及ぼす可能性がある人たちとの接触だということがハッキリしたからだ。


「劇場の灯を消すな」というスローガンには、「こんな状況でも上演することに意義がある」と、「状況が落ち着いた時に備えてしっかり準備して待機する」という、2種類の読み取りがあると思う。互いの考えについて言い争う必要はない。

しかし、東京オリンピック2020が開かれることで、感染症の状況がより悪化し、ただでさえこれまで苦しい時間を過ごしてきている中で、劇場も団体も業界で働く人も潰れてしまう可能性がさらに高まる。そんな祭典に同業者が関わっているのを知ってしまった。2021年後半は「劇場の灯」どころではなくなってしまうのではないか。「劇場の灯」を消そうとしている同業者がいると思えてならない。


すべては、徹底した検査および治療と生活補償をせずに安全安心安全安心安全安心と言い続けている政府と、やっちまったもん勝ちとでも言わんばかりのIOC・JOCよって引き起こされた分断だ。

言わずもがな、苦境を強いられているのは舞台業界だけではない。「劇場の灯」だけではなくて、全ての家やお店や施設の灯を消さなくていいように、粛々と対策するのが現在の最善策だと私は考える。


失われた私の健康で文化的な最低限度の生活は、五輪でさらに遠のいていくが、それは旧時代のもの。私の健康で文化的な最低限度の生活の在り方は、にーぜろにーぜろを経て、更新されてゆく。健康で文化的な最低限度の生活202X




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